船舶業界初の外付け舶用「補機熱回収ユニット」を発売

2013年7月2日

常石造船

[製品]

常石造船株式会社(本社:広島県福山市、代表取締役社長:川本隆夫)と三浦工業株式会社(本社:愛媛県松山市、代表取締役社長:髙橋祐二)は、業界初※1となる外付け「補機熱回収ユニット」(特許出願中)を共同開発しました。「補機熱回収ユニット」は船内に設備された発電機の排熱の再利用を目的に、熱源として回収する装置で、補助ボイラーを通じて熱エネルギーに変換します。補助ボイラーの燃料使用量を12%から25%削減できます。

従来、船内の熱源は搭載された主機関(メインエンジン)からの排熱を利用していましたが、近年の環境保全に向けたCO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)の排出量低減の取り組みに伴い主機関の排ガス温度が低下し、必要な熱量を得ることが難しくなっていました。一方で、船内の発電機の排熱は、主機に比べて熱量が少ないことから、これまで有効利用されていませんでした。

今回開発した「補機熱回収ユニット」は、複数の発電機それぞれに設置し、従来の排熱回収装置の主機用補助ボイラーと連結する構造で、複数の発電機から効率的に排熱を回収し、主機関の排熱利用を補完します。
常石造船では2014年以降の建造船の一部で「補機熱回収ユニット」の搭載が決定しています。

【特長】

  • ・発電機からの熱回収量は、常石造船の建造船に搭載した場合、主機関(メインエンジン)からの熱回収量の10%程度を回収し、約100kg/hの蒸気を作ることが可能です。補助ボイラ本体を大型化することなく、船内に必要な蒸気量を確保できます。
  • ・付加価値として、ダイハツディーゼル株式会社(本社:大阪府大阪市)協力のもと新開発した、専用の消音器(サイレンサー)を内蔵し、排熱回収のほか消音効果も備えるユニットです。船舶の入港時に、周辺地域への騒音による影響の低減に貢献します。
  • ・発電機や補助ボイラー周辺の構造やパイプの配置に対応して、メンテナンススペースを確保できるよう柔軟なレイアウトが可能です。
  • ・ユニット内部の伝熱管への煤付着の予防として、伝熱管個別に高圧空気スートブロワ※2を設置しています。

  • ※1 三浦工業調べ
  • ※2 燃焼ガスから発生した煤が伝熱管内部へ付着するのを、圧縮空気を吹き付けることで防ぎ、熱伝導率の低下を防ぐ装置。

【発売時期】

2013年度より営業を開始して2014年度の新造船搭載を計画しています。

【補機熱回収ユニット単体の主要目】

【補機熱回収ユニットの本体外観イメージ】

unit image

【三浦工業株式会社 概要】

  • ・代表取締役社長 髙橋祐二
  • ・本社住所    愛媛県松山市堀江町7番地
  • ・設立      1959年11月
  • ・従業員数    4,086人(連結、2013年3月31日現在)
  • ・資本金     95億4,400万円(2012年3月31日現在)
  • ・売上高     781億5,700万円(2013年度連結決算)
  • ・主な事業内容  小型貫流ボイラ、水処理装置、冷熱機器などの製造、販売、メンテナンス

― 本件に関するお問い合わせ先 ―
ツネイシホールディングス株式会社
広報・CSR室
TEL:084-987-4915

三浦工業株式会社
ブランド企画室
TEL:089-979-7019
Mail: burandokikakushitsu@miuraz.co.jp