常石グループ 2021年度 連結業績報告

2022年4月26日

ツネイシホールディングス

[業績報告]

常石グループ 2021年度 連結業績報告

常石グループ2021年度 連結売上高

 ツネイシホールディングス株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長:神原宏達 以下、ツネイシホールディングス)の2021年度 連結売上高は、1,973億円(前年比625億円減)となりました。主要事業の造船海運業界では、先進国を中心とした経済活動の回復により、海上荷動きの需要が急増し、傭船市況の上昇に加えて、新造船価格も上昇しました。新造船は、ばら積み貨物船、コンテナ運搬船を中心に81隻を受注しました。一方で新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、ウクライナの情勢によるマーケット、資源価格の上昇や部品・原材料不足の深刻化など不安定な状況が続いているため、業績への影響を注視するとともに、必要な対策を講じていきます。

 事業別売上高は、造船事業が前年比41%減の1,477億円、海運事業が前年比107%増の620億円、環境事業が前年比 12%増の147億円、エネルギー事業が前年比 5%増の177億円、ライフ&リゾート事業が前年比 6%増の35億円となっています。(いずれも内部取引の相殺前)
 
 ツネイシホールディングスは、常石グループの共有ビジョン「より先へ、世界の期待を開拓する」を掲げました。あわせて2022年度からの中期経営方針で、事業環境の変化に素早く適応し、多様化する社会課題を捉え、持続可能な社会的価値と経済的価値を創出する方針を示しました。それぞれの事業特性を生かした新たな価値を創造して市場と地域の期待に応え、ESG経営に取り組むことで、常石グループの持続的成長の実現に努めてまいります。

■常石グループ2021年度 連結売上高
・ 決算期:1月~12月
・ 2020年度:造船事業「工事進行基準」適用初年度
(工事完工基準売上+工事進行基準売上)
・ 2021年度:造船事業工事進行基準売上
・ 2022年度以降:「新収益認識基準」適用
・ 連結対象:ツネイシホールディングス含む44社(国内23社、海外21社)

【造船事業】

■2021年度 概況
 先進国を中心とした経済活動の回復により傭船市況が上昇する中、81隻を受注。また建造隻数は41隻となりました。造船事業は、2020年度期の会計処理から工事進行基準適用に変更したことにより、本年度の売上高は1,477億円(前年比1,019億円減)となりました。

• 売上高:1,477億円(前年実績2,496億円、前年比41%減)
• 建造隻数:41隻(前年実績44隻)
 常石造船、TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU)、常石集団(舟山)造船の合計
• 受注隻数:81隻(前年実績33隻)

■中期経営方針
主力である中型船に経営資源を集中させつつ、GHG排出量削減に向けて、新燃料・新技術を取り入れた船舶の研究開発・建造に取り組み、地球環境への負荷低減と経済性を両立させた次世代船舶の開発・提供に努めるとともに、デジタルイノベーションを推進し、船舶モニタリング、運航支援や無人運航などの新しいサービスの提供にも努めてまいります。これらの取り組みから、造船・修繕から船舶の運航に至るまであらゆる場面を通じて、顧客生涯価値の最大化を目指し、技術とサービスの進化を追求してまいります。
また、三井E&S造船や神田ドックとの連携を通じて、修繕事業や小型船事業分野の取り組み及び設計能力を拡充し、グループの持続的な成長を実現します。
なお、12月17日にフィリピンを横断した台風22号によりTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (Cebu), Inc.の工場設備に大きな被害を受けましたが、グループの総力を挙げて、早期復旧に努めるとともに、現地と協力して地域の復興に向けた支援にも取り組んでおります。

常石造船 奥村幸生 社長のコメント:
造船事業分野では、常石グループの共有ビジョンである「より先へ、世界の期待を開拓する」をさらに一歩進め、「期待の先へ、変革を恐れず舵を切る」をビジョンに掲げ、グリーンテクノロジーとデジタルイノベーションを二本柱に上記中期経営方針を実現してまいります。

【海運事業】

■2021年度 概況
 世界経済の回復傾向を背景とした海上荷動きの増加、トレードパターンの多様化によるトンマイル(輸送トン数×輸送距離)の増加など、複合的な要因によって高レベルで推移した傭船市況に支えられ高収益を確保しました。また、定期コンテナ船事業においては、10月より導入した新サーチャージ(Container Imbalance Charge)の浸透により収益性が向上しました。また、コンテナ取扱量も前年比12%増となり、過去最大の輸送量を確保しました。

• 売上高:620億円(前年実績299億円、前年比107%増)
• コンテナ輸送量:15万9000TEU(前年実績14万2000TEU、前年比12%増)

■中期経営方針
 常石造船との協業による次世代環境対応船への取り組みなど、脱炭素化を推進し持続可能な経営の実現を目指します。市況変動リスクの低減を目的に船種の多様化を図り、海運事業特有の価格変動性に対する耐性を高め、安定的な収益体制を構築いたします。船舶管理においては、安全運航及び低コストといった船舶管理パフォーマンスを向上させ、顧客から選ばれる船舶管理会社を目指してまいります。

【環境事業】

■2021年度 概況 
廃棄物排出国での廃棄物処理・リサイクル推進が図られるなか、積極的な受注強化活動により売上高は過去最高の147億円(前年比16億円増)となりました。福山工場では産業廃棄物受注量が前年比7%増、売上高は前年比11%増、常石工場では船舶廃油処理事業においても売り上げが前年を上回りました。埼玉工場では、大都市圏をターゲットにした受注強化に努め、受注量・受注単価ともに前年を上回りました。

• 売上高:147億円(前年実績131億円、前年比12%増)

■中期経営方針
「持続可能な社会の実現に必要不可欠な存在になる」をビジョンに掲げ、循環型サプライチェーンの構築及び環境負荷低減の推進に努めます。また、産業廃棄物・一般廃棄物の処理に係るリサイクル率向上とCO2削減・脱炭素のための設備投資や製品開発に取り組み、SDGsの達成に寄与してまいります。

【エネルギー事業】

■2021年度 概況 
エネルギー事業では、コロナ禍における行動制限や低燃費車の普及などに伴い販売数量は減少となりましたが、原油価格の上昇により燃料油の販売価格は増加となりました。オートサービス事業では、車輌販売台数・車検台数ともに既存顧客への乗換提案・スピード車検を行う「マッハ車検 福山曙店」への出店の効果で増加しました。カーリサイクル事業は、廃車仕入台数は減少しましたが、スクラップ価格上昇により増収となりました。

• 売上高:177億円(前年実績169億円、前年比5%増)

■中期経営方針
世界的な脱炭素化の流れを受け、時代に適したエネルギーとモビリティサービスの提供を実現し、事業の継続的な発展と働き方の最適化に努めてまいります。

[2022年度の強化施策]
• エネルギー新時代への対応
・ 既存事業で競争力がある部分は投資も行い、残存者利益の確保に努める
・ 新展開において早期に地域内で優位なポジション獲得を狙う
・ 高度化する商材や様々な変化に耐えうる人材の確保と育成
• 新事業・新商材の開発
・ 海外事業基盤の構築
・ 少子高齢化する地元地域への対応
・ 新事業・新商材に柔軟に対応できる従業員の育成

【ライフ&リゾート事業】

■2021年度 概況 
新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないなか、クルーズ船・遊園地・ホテル・レストランなど運営施設の一時休業や営業時間の短縮をはじめ、感染防止を徹底するなどの対策を講じました。緊急事態宣言解除後の経済活動再開の動きもあり、2021年の売上高は限定的とはいえ対前年比で微増に転じました。一方で、変異種による新型コロナウイルスの感染拡大が周期的に繰り返されるなか、本格的な回復にはある程度の時間を要するものと推測され、依然として厳しい状態が続いています。

• 売上高:35億円(前年実績33億円、前年比6%増)

■中期経営方針
渡航制限や都道府県を越える移動の自粛要請などから、宿泊・観光需要の回復は不透明な状況が続くことが予想されますが、引き続き安心・安全を第一優先としながら、顧客への上質なサービス提供し、集客力の向上に努めます。合わせて全社的なコスト削減に取り組み収益改善を進めます。地元資源の活用を通じて地域への貢献及び発展に尽力してまいります。

― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス 広報部
pr@tsuneishi.com
TEL: 084-987-4915